2021-01-01から1年間の記事一覧

【おまけ】映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』

映画『サイダーように言葉が湧き上がる』 和:こんにちは郡司和斗です。芭蕉さん、 今日はよろしくお願いします。 芭蕉:松尾芭蕉です。映画はあんまり観ないんだけど、 これはそこそこおもしろかったね。今日はよろしくお願いします。 和:はい、それでは、…

【第四回】平岡直子歌集『みじかい髪も長い髪も炎』

平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』 郡司和斗 十首選できたての一人前の煮うどんを鍋から食べるかっこいいから下室が家にあるふりされているわたしの声は重いのかしらそりゃ男はえらいよ三〇〇メートルも高さがあるし赤くひかっていつか死ね いつかほんとに…

【第三回】鴇田智哉句集『エレメンツ』

鴇田智哉『エレメンツ』 郡司和斗選十句うららかに手の持主が来るといふ一をかぞへる噴水の一時間この秋のをはりの旗を配らるる火が紙にくひ込んでゐる麦の秋かなかなといふ菱形のつらなれりうなづくと滝の向うの音がするきのふをととひと次第に玉になる す…

【第二回】「ねむらない樹vol.6」第三回笹井宏之賞

郡司 第二回は「ねむらない樹vol.6」ということで、まずは順当に笹井宏之賞から読んでいこう。大賞は乾遥香さん。北赤羽歌会等でそこそこ一緒にやってきた方で、個人的に読むのを楽しみにしていた。桜魚さんは基本的に俳句メインでやっていると思うんだけど…

【第一回】津川絵理子句集『夜の水平線』

郡司和斗選十句近づいてくる秋の蚊のわらひごゑ冬に入る古墳は水に囲まれて吾を映すあたらしき墓洗ひけり断面のやうな貌から梟鳴く蜻蛉すいと来て先生の忌日かなおとろへし太陽を負ひ秋の蝿賀茂茄子のはちきれさうに顔うつす永き日の桶をあふるる馬のかほ木…